エイチタス株式会社

“共創”を通じたソーシャル・イノベーション創出支援

2017.01.15

南島原ITナイト@東京 Vol.2 開催レポート

2016年10月と11月の2回、長崎県南島原市にて開催されたアイデアソン&ハッカソン「いなかソンin南島原」の報告会が、12/8(木)に東京・丸ノ内の中小機構TIP*Sにて開催されました。

当日は19時の開始予定だったが、仕事帰りに立ち寄ってくれる方のことも考慮して、若干開始時間を後ろ倒ししてのスタートとなりました。

まずは弊社、エイチタス代表の原よりご挨拶と、本日のイベントの趣旨の説明を行い、続けて8月の東京でのプレイベントから、11月のハッカソンまでの「いなかソンin南島原」の足跡を写真と共に振り返りました。

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思えば、今回のいなかソンin南島原は嵐と共に始まりました。8/21に開催されたプレイベント「南島原ITナイト@東京Vol.1」では、関東地方を台風が直撃。飛行機の欠航や、都内鉄道各線が大幅に乱れたにも関わらず、結果的には大勢の方が参加して、異様な興奮の中、幸先のよいスタートとなりました。

そして10月と11月の2回、それぞれ2泊3日の旅程で東京・大阪を中心とするITエンジニアたちを南島原に招聘して実施したアイデアソン、ハッカソンでは、各種体験ワークを通じて参加者と南島原の方々との関係が深まり、ハッカソンまでの期間、各チームが自発的なアクションを起こして現地の方々をも巻き込んで、関係者全体が一丸となり成果を出しました。

全体を通して、「地方×IT」のテーマとしては異例の集客となり、ハッカソン終了後もサービスの具現化を目指したり、南島原の特産品のひとつである素麺の普及活動を引き続き行っていく活動が誕生するなど、今後の展開が大いに期待できるイベントとなりました。

ハッカソンの成果について、2つのチームから発表を行ってもらいました。

  • チーム:「しぃ・そぅ」あらため、「フリーソーメン南島原」

今回のハッカソンにて最優秀賞を獲得した、チーム「しぃそぅ」。
このチームが目指すのは、南島原の特産である素麺を広く普及させるための各種ITサービス。素麺の種類に応じた茹で時間を検索できるデータベース、素麺の茹で時間を測るタイマー。最適な茹で時間を割り出すセンサー、そして広報活動を担うWebサイトなどで構成。
 また、このチームで大変印象的だったのは、プレゼンが全て彼らの製作した「動画作品」を通して行われたことで、この日は南島原でのプレゼンで披露した動画を、東京での報告会バージョンに編集しての発表となりました。

自らを秘密結社「フリーソーメン」と名乗る彼らは東京でも新しい「構成員」を迎え、プレゼン動画終了後には「フリーソーメン活動」の一環として、参加者にそうめんを配布。プロジェクトへの熱量は唯一無二のものです。

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  • チーム:SS2Kids

子どもの植物観察に役立つIoTデバイス。
ハッカソン最終日の発表から更に手を加え、定点観察カメラが動くようにバージョンアップ。教育におけるITの重要性と今後の展開について発表頂きました。

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 後半はトークセッションの時間。

今回のいなかソンin南島原の発起人でもある、南島原市役所の小関氏、「洗濯ハカセ」の異名をとるクリーニング屋でかつ、ITベンチャーを経営する神崎氏、そしてこの日急遽トークセッションに参加となった青森県庁の杉山氏が登壇されました。

冒頭、原よりまず地域とハッカソンについての所管が述べられました。

「近年、モジュール、API化により、誰でも簡単に小規模でITを使えるようになった。これが地域に意味することはなにか?大企業しか触れなかったことが、小さい企業でも使えるようになり、小規模でユニークなことが地域レベルでもできるようになってきた。それに応じて、ハッカソンも様々な地域で企画され、動きが出てきている。

今回のいなかソンin南島原でも、南島原で作られたプロダクトが、技術、テクノロジー、アイデアにより、より個性的なアイデアにつながった。自分たちで地域に入ることにより、ユニークなアイデアが南島原ハッカソンでたのではないか。」

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次に、現地からの参加者である神崎氏に、今回のハッカソンを通じてITに関わる人達が南島原に大勢きて、どんなことを感じたかを伺いました。

「IT業界に対しては、いまだに言葉の壁を感じてはいるが、参加者との関係を深めていくうちにどんどん参加者に感化され、アイデアソンが終わったとき、それまで悩んでいた疑問の答えがふと頭に浮かんで自己解決できた。他のメンバーに触発され、覚醒した」とのこと。 

小関氏には「食産業×IT」という切り口で行われた、いなかソンin南島原の手応えについて伺いました。

「島原半島ではあらゆる産業で若い人が足りていない状況だが、元気になるには人が必要で、効率を良くするためにITを活用したい。また、長崎は観光地として知られているので、ITに関わる人達が南島原でハッカソンを行うことで「何かやっている」ということを表に出したかった。実際、長崎新聞に掲載され、市長も成果発表会に満足してくださったので、今後の展開が楽しみ。第二の故郷として、遊びに来たり、プロジェクトを進めたりして頂けると嬉しい」と語って頂きました。

急遽登壇が決まった青森県庁の杉山氏からは、地域産業とITの掛け合わせについて伺いました。

「ハッカソンを始めたのは4年前。青森のIT業者はプロダクト全体やお客様の顔が見えていないことが多く、新しい技術も得ることもできず、煮詰まっていた。

現場とIT業者のマッチングを行政ができればと、課題抽出して、そこに対してプレゼンする、上流から下流までを体験できる研修や技術力アップという視点からハッカソンは始まった。

現場とIT業者の双方に壁があったのが、ハッカソンで交わることで、お互い見えないところが見えたり、横のつながりができた。

ハッカソンが知られてないため最初は人が集まらなかったが、最近は集まるようになってきている」とのこと。

そしてハッカソンを終えての現地の反応について、あらためて小関氏から伺いました。

「蔵めぐりの方も参加者のことを覚えていた。
交流会に参加した地元の方も、これまで相談できなかった悩みを話せたり、直接会えたことがよかったと思う。このイベントも地元の方に温かく受け止めてもらえた。これからの期待を持っていると思う。」

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 トークセッションに続いて会場は交流会に移行。ここでも熱気は冷めやらず、
ハッカソン参加メンバーと、当日イベントに参加した人たちとの宴席は場所を移して深夜まで続きました。

 ハッカソンは、いろいろな人が混ざりあうことで起きるブレークスルーが醍醐味のひとつですが、特に今回のハッカソンでは、参加者が現地の人と連絡を取り合ったり、素麺のPRのために来日中のフランス人への取材をするため、飛行機で東京・大阪を行き来するなど、他のイベントでは考えられないような自発的な動きが多かったことも特筆すべき点です。

ここで生まれた人の絆が途切れることなく、継続して南島原市の発展に寄与するものになることを願ってやみません。

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