高知家IT・コンテンツネットワーク交流会Vol.1 開催レポート
去る9月9日、Yahoo!JAPANのコワーキングスペース「LODGE」にて、「高知家IT・コンテンツネットワーク交流会 Vol.1」が開催されました。当日の模様を簡単にお伝えします。その前に…
高知家IT・コンテンツネットワークとは?
IT業界、その中でもゲーム業界やマンガ・アニメの領域で活躍される方たちに、実は高知県ご出身の方が大勢いらっしゃることをみなさん、ご存知でしょうか?あの人気ゲーム、ファイナルファンタジーでキャラクターデザイン・ディレクターなどを務めていらっしゃる野村哲也さんも、高知県のご出身だったりします。
そんな、高知県ご出身で首都圏で活躍されているマンガ・アニメ・ゲームといったコンテンツクリエーターの方に加え、IT領域の方たち、さらには高知出身じゃないけれど、高知に興味がある同分野の方たちも巻き込んで、「高知」を首都圏から盛り立てていくための新たなコミュニティになることを目指してこの夏に立ち上がったばかりのネットワーク、それが「高知家IT・コンテンツネットワーク」です。
そして、このコミュニティを広く一般にお披露目する場として開催されたのが、今回実施されたイベント「高知家IT・コンテンツネットワーク交流会 Vol.1」なのです。
当日は実に70名を超える方に来場頂き(中には当日、飛び入りで参加してくれた方も!)、主催の高知県、運営のエイチタスと合わせて100人近い人々が集まり、会場は大変な熱気に包まれました。事前のイベント告知の段階から多くの反響があり、募集を開始してからのご参加人数の増加に驚かされて、高知の持つパワーを実感することとなりました。
当初の定員枠を拡大したにも関わらず、最終的には満員のために募集を締め切らなくてはいけないほどでした。
今回のイベントでは、高知県ゆかりのゲストスピーカーをお二人招いてのご講演に、高知県内の企業からのプレゼン、参加者同士の交流タイム、本会の終了後には高知の地元食材を使った懇親会…と盛り沢山の内容でのお届けとなりました。
そして、今回のイベントの冒頭、ご挨拶として特別にご登壇頂いたのは…
尾﨑正直高知県知事です!今回のイベントのために、多忙なスケジュールの合間を縫って、ご登壇頂きました。
当時、史上最年少の若さで知事に着任された尾﨑知事。力強く、明朗な語り口でのご挨拶からは、強いリーダーの元、一体となって新たな展望を拓いていく、高知県の可能性を確かに感じとることができました。
続いては、高知県ゆかりのゲストお二人の基調講演です。
お1人目は、高知県に拠点を置くIT企業、株式会社アイレップの紺野社長です。
「いま インターネットの世界で起きていること」と題してご講演頂きました。
特にIT分野で活躍されている方に向けた、インターネット分野の今とこれから、にまつわるお話です。
時代の変革と共に、あらゆる分野を取り巻く環境が目まぐるしく変貌を遂げる現在。商業店舗の在り方からテレビ・ラジオといった放送メディア、さらには自動車などの乗り物に至るまで、実に様々な領域を横断し、全てがインターネットに結びつくようになってきています。また、モノだけに限らず、旅行や運輸などのサービスも同様です。また、それらインターネットに接続するデバイスも今やその主流はPCから、完全にモバイルシフトしている、というのが現状です。そのインターネットは今、AIと結びつくことで、さらなるステージへと移行しようとしています。
膨大な情報がインターネット上に氾濫する現在ですが、そこから正確な情報を得ることが難しくなってきました。AIがそれらの情報を適切に読み解くことで、新たな知の創造を実現しつつあります。
基調講演、お二人目は高知出身でAmazon Web Services Japanマーケティング本部長を務められた後、現在は複数の肩書をもつ“パラレルマーケター”としてご活躍されている、小島英揮氏。小島氏からは「外のモノサシを知ろう!~外資、ベンチャーでの経験からみる越境の大切さ~」と題しての、まさに高知から外に向かって“越境”される皆様を力強く応援するご講演となりました。
小島氏ご自身の経験から、外部環境を知ることで自分を見つめなおすことの大切さを説きます。そして、現代に起こっていることで大切なポイントのひとつは、もはや注目すべきは技術の変化ではなくて、「エコシステムの変化」だということです。デバイスよりも、そのデバイスのUIの中で起きているアプリやサービスの内容にこそが、目を向けるべきもの、ということです。
そして、2つ目は「人口減少社会」。日本の人口は減り続け、マーケットも縮小していきます。毎年同じことの繰り返しでは、売り上げは減少するばかりという、かつて誰も直面したことのない時代に、従来の知識・知見では乗り越えられないことがたくさん出てきます。そこで求められるのが、客観的に状況を見るための「外のモノサシ」なのです。この「外のモノサシ」を知る上で、欠かせないのがコミュニティ、です。
インターネットの拡充とクラウド化で、従来では考えられなかったような、距離を超えたコミュニティの形成も可能になった現在、あらたなコミュニティを形成しそこに参加することがITエンジニアの成長の場として機能し始めています。
日本で今起きている様々な現象は、高知県にも形となって表れています。そんな地域の課題を高知から変えて行けたなら、日本再生のモデルケースとなるに違いありません。高知から飛び出して活躍できる「越境者」を高知に呼び込むために、「通行手形」を発行してみたり、「コミュニティの形成」、そして「地産外消」を徹底することで、高知から日本を変えていこう、という提言で講演は締めくくられました。高知から新しい何かが始まっていく、そんな期待・予感を感じられるお話でした。
お二人から熱くお話を頂いた後は、いったん休憩をはさんで本日、会場に来てくださった皆様同士の交流のお時間。「つながっちゃおうシート」と題したシートを使って、会場にいる誰かとつながることで何かが始まる、そんな前向きなやりとりのできる場を設けました。会場に集まった人同士で、新しい何かがはじまることを私たちも願っています。
ショートワークに続いては、先ほどご講演頂いた株式会社アイレップを含む、高知のIT企業4社の方からのプレゼンテーション。各社からユニークなプレゼンを頂きました。東京から高知のオフィスに異動したばかりの方からの率直なレポートもあり、「高知で働く」ということをより会場の皆さまに実感を持って受けとめて頂けたかと思います。
密度の濃いお話とワークが続いた「高知家IT・コンテンツネットワーク交流会」も、本会はいったんここまでで終了。会場の皆さまにも手伝って頂いて、懇親会に向けたレイアウト替えが行われ、会場の中央には本日のための「高知の地元食材をつかったお料理」が並びます。人気ケータリングサービスのFLOW TOKYOさんがこの日のために考えてくれたお料理です。さらには、お飲み物テーブルには高知自慢の日本酒がずらり。
この合間に、ご参加の皆さまで記念撮影。
レイアウト替えが済んだところで、再び尾﨑知事がご登壇。乾杯の音頭をとってくださいました。
70名以上のご参加者でごった返す会場の中、この時を待ち構えていたかのように、お料理、お酒に手が伸びていき、隣の人同士会話も弾みます。会も盛況となってきたタイミングで、多忙な尾﨑知事は会場中の拍手に包まれながら、一足先に帰路につかれました。
懇親会、後半は会場の有志によるライトニングトークも開催。5名もの方々からの、溢れんばかりの高知愛を会場の皆さまに披露頂きました。
会場の熱気、ご参加頂いた皆さまの嬉しそうな顔、弾む声と声を感じながら、“高知”に対する熱い想いを感じ、こちらも胸が熱くなりました。
あまりの盛況の中、少し終了時間も延長する形で懇親会も無事終了。
悪天候続きだったことが嘘のような快晴のもと、高知から日本を変えていく、そんな期待に胸を躍らせる最良の門出の一日となりました。
高知家IT・コンテンツネットワークは、いよいよこれから本格的に活動していきます。情報は随時、オフィシャルホームページやFacebookページにて告知していきますので、まだご参加頂いていない方は、この機会にぜひネットワークにご参加をお願い致します。
高知家IT・コンテンツネットワーク交流会、次回は2018年1月に開催予定です。