アイデアと技術が高度に混ざり合う! 〜SPAJAM2016序盤戦を振り返る(大阪予選)
ネクストクリエーターが腕を競うハッカソン競技会「SPAJAM2016」の序盤戦振り返り。今回は、4/23,24にヤフー大阪で行われた大阪予選です。
▼ハッカソンのメッカ、大阪
大阪は全国屈指のハッカソンが盛んな地域です。大手メーカーが多く拠点を構える地域でもあり、モノづくりと連携したハッカソンなども多く、昨年のSPAJAM2015でもデバイス連携のアプリが多数生まれました。
また、TV局が主催するハッカソンでも100名規模の参加者が集うなど、作品のみならず、ハッカソンそのものもユニークな進化を続けています。
SPAJAM2016の会場は、ヤフーの大阪オフィスの会議室をご提供いただきました。初回のSPAJAM2014から3年連続でこちらの会場を使わせてもらっており、過去の熱戦の記憶もよみがえる場所です。
今年の大阪予選の参加チーム数は、序盤戦では最大の12。過去は7,8チーム程度だったので、これまで以上に激戦を予感させます。
▼学生が半数を占める
大阪予選では、全チームの半数にあたる6チームが学生のチームでした。毎年参加をしている専門学校のチームは、昨年、先輩について参加をしていたメンバーが、今年はリーダーとしてチームを率いる立場に成長しての参加だそうです。
一番若かったのは高専生・高校生の「チームソースかつ丼」。昨年開催された北陸予選の開催地、福井県の鯖江から来てくれました。昨年の全国最年少だった小中学生チームで中学生だった男の子の姿もありました。この春に高校に進学し、福井高専の上級生たちと参戦です。
今年は北陸での予選はありませんが、こうして武者修行に挑んでくる若者が現れたことで、昨年は鯖江で予選を開いた価値があったのではないでしょうか。最寄りだと岐阜の大垣予選だったはずですが、激戦区大阪へのエントリーです。
そして、今年は大学生チームも3チーム。神戸や京都の学生も集まり、関西の名だたる大学の若者たちが競い合いの場に臨んできました。
▼個性豊かな社会人チーム
社会人チームも、昨年の福岡予選に参加をしていたチームが、大阪予選へのエントリー。昨年は岡山から車で福岡に乗り込んでいたそうですが、今年はより近場の大阪での挑戦です。
IT以外の業界の企業の人たちもチームを組んで参戦するなど、大阪予選はバラエティ豊かな顔ぶれとなりました。
毎年チームを組んで参加していたヤフーは、今年は参戦せずで運営サイドで手厚くサポートいただきました。
そして、昨年、大阪予選から勝ち上がり、見事、本選の最優秀賞を獲得したVRつくり隊からも、竹谷さんがスタッフとして当日の運営に携わってくれました。
▼定番テーマに個性が光った
大阪予選のテーマは「おでかけを楽しむ」。ありがちなテーマだけに、アイデアにもひと工夫必要なところ。アイデアソンではアイデアスケッチが105枚描かれ、1人平均2枚以上のアイデアを共有することができました。
成果発表会でも、パックマンが200km/hで追いかけてくるアプリや、ステレオヘッドフォンを装着し、左右から襲ってくる音を体で避け、通勤時の移動をエンタテイメント化するアプリなど、個性たっぷりな作品が飛び出し、審査員も参加者も、笑いと驚きが絶えない時間となりました。アイデアとユニークさは、さすがの大阪です。
また、学生チームが多い中、全チームのアプリがデモに成功し、実装力の水準の高さが見受けられたほか、プレゼンも寸劇を取り込むなど、レベルの高い競い合いとなりました。
▼IoT vs 写真アプリ
東京B予選に続き、優秀賞・最優秀賞には、ハード連携と写真アプリが選ばれました。
東京Bでは、郵便ポストが通信をする「iPost」が最優秀賞、ツーショット写真の顔部分の差し替えができる「ジドール」が優秀賞という結果になりました。
大阪では、チーム名「ジョン」が開発した写真アプリ「ぼく、パシャ男」が最優秀賞に選ばれました。
おでかけ先で記念写真を撮る際に、後ろを歩く通行人を画像処理でリアルタイムに消すという高度が技術を、デモで見事に成功させ、会場の度肝を抜きました。審査員からも技術への質問が相次ぎ、この日、一番の注目を浴びました。
IoTネタで優秀賞に輝いたのは、「Teamはぎー」が開発した「西野カサ」という作品。こちらは、傘が持ち主に自分の存在を知らせるアプリで、雨が降りそうなときに、スマホ経由で持ち主に話しかけたり、自らが震えるという、アプリ名からわかるようなパロディも利いた作品に。
ハードを絡めると表現の幅が拡がるので、審査付のハッカソンでは、技術やアイデアの評価が高くなるようなイメージを持たれるかもしれません。一方で、写真アプリはスマホアプリでは定番中の定番。ガラケー時代から、モバイル端末と写真は切っても切れない関係で、いかに斬新さを出すかが勝負どころ。
この“新興”IoTと“定番”写真アプリの対決。大阪では写真アプリに軍配が上がり、東京Bと逆の結果になりました。
東京Bの「ジドール」も同様ですが、定番ジャンルでも技術の進化で、新たな体験がまだまだ生まれるということに気づかされました。
ということで、本選3枠目は「ジョン」がゲットです。
大阪予選にご参加いただいたみなさん、審査員のみなさん、そして、ヤフー大阪のみなさん、ありがとうございました!
▼予選エントリーはまだ間に合う!(4月末現在)
東海、札幌、仙台、福岡、東京Dの各予選は、4月末現在でまだエントリー受付中!全国どこでも1か所で参加できます(希望者多数の場合は選考あり)ので、奮ってご参加ください!